良い投資商品探しに一生懸命になっても意味はない?

投資を始めようと考えた時、必ずと言っていいほど出てくる言葉が、「何に投資したらいいですか?」です。

でも、その言葉には何の意味もありません。

金融商品であっても目的をかなえるための道具でしかありません。

良い道具であることよりも、道具の使い方、使う人の資質の方がずっと重要なことなのです。

マゼランファンドのピーター・リンチってご存知ですか?

1977年から1990年の14年間で、2000万ドルだったマゼラン・ファンドを140億ドルにまで増やした。伝説とさえ言われているファンドマネージャーです。

ファンドマネージャーとは、投資信託などの運用を行う担当者です。つまり、一般顧客からお金を預かり、株式などへ投資をして運用している人たちのことを言います。よく運用のプロなどと言われています。

ピーター・リンチは、実績だけを見ても、間違いなく世界トップクラスの運用者です。

つまり、マゼランファンドは、世界トップクラスのファンドマネージャーが運用する、まさに世界でもトップクラスの投資信託であったと言えるわけです。

しかし、悲しいことにこのマゼランファンドに投資をしていた個人投資家は、このマゼランファンドのリターンをそのまま享受することはできなかったと言われています。

理由は、このマゼランファンドを14年間保有し続けるということができた人が少数派だったからだと考えられています。

マゼランファンドの運用成績が一時的に悪くなったときに、慌てて売ってしまった姿が目に浮かびます。

世界でも最高の投資信託という、それこそ世界最高品質の道具を使っていたのに、この結果です。

その原因がなぜだったのかと少し考えてみてください。

マゼランファンドに投資をしておきながら結果としてあまり儲けることができなかった人達がどんな人たちだったか考えてみましょう。

この人たちは、マゼランファンドがどんな運用をしていたのか知っていたのでしょうか?

ピーターリンチという人がどんな風に投資を考えていたのかわかっていたのでしょうか?

マゼランファンドの運用方法にどんな特徴があり、期待値は高かったのかどうか理解できていたのだろうか?

どう思いますか?

さらに質問を続けます。

株式に投資することでなんで儲けることができるのかわかっていたのでしょうか?

相場の値動きで下がることがあるということはちゃんと理解していたのでしょうか?

どんなにいい投資信託であっても、相場全体の弱気に巻き込まれないなんてことは、ほとんど不可能だということをわかっていたのでしょうか?

今度の3つの質問は、マゼランファンドでなくても当てはまる話です。

つまり、金融商品に投資をする上で、必要なこととは、いい商品を見つけることなどではなく、投資というものの基本的な知識を有していないことが問題なのです。

良い道具かどうかよりも、その道具を使う人の能力に左右される事の方が多いということです。

マゼランファンドで儲けることができた人というのは。

マゼランファンドの本当の価値を見抜いていた、それこそ金融リテラシーが高かったと思われる人。

若しくは、マゼランファンドという投資信託を買ったのはいいけれど、その後ぜんぜん興味関心がなく、買ったことすら忘れていたような、とても稀なタイプ。

そのどちらかだったのではないでしょうか?

投資で儲けたい。

若しくは、儲けるまでいかなくても、そこそこにリターンを手にしたい。

そう考えている人は、いい商品を見つけることを考える前に、投資に関する一定の『知識』と『知恵』をつけることを考えるべきだと思います。

少なくとも最低限の『知識』と『知恵』なしに、投資という世界に踏み込むべきではないのかもしれません。

金融業界は、投資や資産運用、老後の不安をあおりながら、何も知らないで飛び込んできた、投資初心者のお金を間違いなく狙っています。

そういうリスクから身を守るのも、また『知識』と『知恵』なのではないでしょうか?

投資や資産運用を始めようと考えている人は、ぜひ、勉強することから始めていただきたいと考えています。