投資のタイミングを決められるのは、個人投資家の大きなメリット。
私たち個人投資家は、金融機関で運用している機関投資家にはない大きなメリットを持っています。
それは、『投資を休む』という事が出来るということです。
機関投資家は、顧客から預かったお金は、常に何かに投資をしなければならない。
もし預かったお金を現金のままにしていたら、ちゃんと働けと言われてしまう。
入ってくるお金はすべてつかわなければならない。いわゆる常にフルインベストメントというやつです。
しかし、実際には常にフルインベストメントを保つことが正解ではない。
投資では、適度に攻めて、適度に守り、そしてたまに休むことも重要です。
休むという選択肢。
投資の神様ともいわれているウォーレン・バフェット。
この神様も、時たま投資を休んでいる。
バフェットはバークシャーハサウェイという、様々な事業を行っている会社でもありもしくは投資を行う投資会社ともいわれている企業の経営者をしています。
このバークシャー・ハサウェイは、株式へ投資をしているという所は一緒ですが、よくいうファンドといわれているようなモノとは違うので、常にフルインベストメントをしなくてもいい。
そんなわけで、バフェットは時々投資を休んでいる。現金を使わないで、そのままにしていることが多々あります。
言ってみれば、資産価格が上昇し割高な環境になっている時には無理に投資をしない。そして、投資先がなければ、そのまま現金で持っている。
たまに、バークシャーハサウェイの株主から、現金のままで保有していることを指摘されることもあるが、そのことをそれほど悪いこととも考えていないようです。
バフェットの右腕といわれている、チャーリー・マンガーもマンガーについて書かれた書籍の中で現金を保有して置くことの大切さを語っていました。
休むことの大切さ。
投資をするというと、何か買わなければならないと思ってしまう。
もちろん投資は買わないと始まりません。だから”まずは買う”というもの重要です。
しかし、バフェットの成績を見ればわかる通り、適度に休むことが、最終的には大きな資産形成につながっています。
バフェットの投資パフォーマンスにおいては、銘柄選択のうまさよりも、投資タイミングのうまさが際立っているように思っています。
そもそも、私自身の経験からも、先走って買ったモノは失敗することが多いと感じている。
目先の情報に踊らされ、ちゃんと価値を考えずに買ってしまった。
もっと上がりそうだという不安から、つい手を出してしまった。
目先の儲けを重視して、リスク管理をおろそかにしてしまった。
こういう発想でスタートした投資は、ほとんど良い結果にはならなかった。
『慌てたり』、『焦ったり』、というのは投資にとって良い事ではないと実感しています。
しかし、私たち人は、感情の生き物なので。
『慌てたり』、『焦ったり』という事はよくあるし、そして避けることができない。
そんな時、『休む』というスキルを身につけていると、一度考えを留保させることが出来、心が落ち着いたときに、しっかりと考え直すことが出来たりする。
投資というのは、買う、売るだけではありません。
時には『休む』というノウハウも学ぶべきだと考えます。
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