別にバリュー投資が絶対だとは思っていない。
当マネースクールでは、『バリュー投資』という題材で講義を行っています。
でもそれは、別に『バリュー投資』が株式投資として絶対の法則だと思っているからではありません。
ただ自分が、今まで株式投資に取り組んできた中で、『バリュー投資』というスタイルがあっていたこと、そして実践していて納得いくものを感じているからというだけのことです。
そもそも株式投資の戦略に、「これが絶対の方法です!」と言い切れるようなものはないと思っています。
スポーツなどにも例えらえることですが、野球で言えば、器用にバットを操ってヒットを量産するタイプのバッター、ヒットの数より思い切りバットを振ってホームランを狙うバッター、ボクシングでいえば、プレッシャーをかけて連打で仕留めるボクサー、距離を取ってカウンターで相手を倒すボクサーなど、一つのスポーツでもいろんなタイプの人がいるものです。
しかも、そのタイプにはこのスタイルが絶対だというものでもない。投資においても、それは同じ事だと思っています。
重要なのは、自分に合ったスタイルを確立するという事だと思います。
そういった意味では、人に株式投資を教える立場を取りながらも、私自身、今も試行錯誤を繰り返している段階だとも思っています。
ただ、『バリュー投資』という投資スタイルは、今まで数多くの著名投資家が行ってきた投資スタイルであることもあり、実例がたくさんあります。またその実績も十分に満足できるレベルにあるとも感じています。
そして何より、再現性のある投資スタイルでもあるとも思っていることが、『バリュー投資』に注目している理由です。
とはいえ、一番の理由は、自分自身がやってきたことなので、自身の体験や失敗談などを含め実例的な話がいくらでもできるというところが大きいとは思っています。
『バリュー投資』のバリューってわかりにくい?
バリュー投資のやりにくさと言えば、『バリュー』をどうやって決めるのかという所です。
ただ安いだけの株価は、本当に危険な状態にある会社というだけなのかもしれない。
また、高いと思っても、将来の成長を見込めば、その値段は全然高くないということだって大いにありえます。
何をもって『バリュー』と決めるのか、これはとても難しい問題です。
ただ安いからで買っているバリュー投資家と言えば、ベンジャミン・グレアムやハワード・マークスといった著名投資家の名前が挙げられるのかもしれません。
そして、成長を見越して買うバリュー投資家と言えば、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチなどが有名なところなのかもしれません。
これも投資スタイルと同じ、どっちが正しいというものではないのかもしれない。
しかし、バリューに該当するであろう銘柄へ機械的に分散投資をしていれば、そんなに悪い結果にはならないだろうと思っています。
バリューを見き分けられれば、それがどういう理由でバリューであっても、そこそこのパフォーマンスは出せるだろうと考えているわけです。
バリューに該当するであろう銘柄に、機械的に分散投資をする。
これが、パフォーマンスに再現性のある、誰にでもできるであろう株式投資のスタイルなのでないかと思っています。
バリュー投資のメリット
バリュー投資のメリットには、バリューに最大限注意を向けていることで、ぐんぐん上昇している割高な銘柄は投資対象から外れることになります。
そしてそういう銘柄は往々にして大きく下落することも多いため、大きな損失を避けられる可能性が高くなる傾向があります。
また、バリューに注目していると、株式を買いますタイミングも相場全体が大きく下落しているタイミングと合わせることがあるものです。
そして、このタイミングというのも、長い目で見れば往々にして、大きく資産が増えることにつながっているタイミングであることもあるものです。
総合すると、バリュー投資には、その投資戦略の根拠を理解できていることで、株価の値下がりに対する恐怖心などが小さくなり、強いて言えば、安心して長期投資がしやすいという点が挙げられると思っています。
その点が、『バリュー投資』の優位性なのではないかと思っています。
そのどんな状況でも余裕のある心理状態を保ちながら長期投資ができるという優位性は、人から資金を集めている金融機関などの機関投資家にはなかなか見られないものです。
ゆったりとしたリズムの長期投資は、まさに個人投資家にとっての大きな強みだと思っています。そ『バリュー投資』というのは、個人投資家だからこそ実践しやすい。そういうところもあるのではなかと思っています。
バリュー投資から始める株式投資
もう一度言いますが、別に『バリュー投資』が株式投資のすべてだとは思っていません。
もしかすると数年後、私自身がバリュー投資ではない新たな自分に合った投資戦略を見つけていることだって絶対にないとは言い切れません。
ただ、今のところは、『バリュー』の形が変わることはあるとは思いますが、この『バリュー投資』というスタイルからは離れることはないだろうと思っています。
『バリュー』を実践し、『バリュー』の魅力も肌で感じている。だから『バリュー投資』についての講座を行っているというわけです。
ぜひこの『バリュー投資』という考え方や投資スタイルを足掛かりに、個人投資家として株式投資の世界に挑戦してもらえればと考えています。
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