「ノーベル賞の投資戦略?」、「安定した運用ができる?」 でも実践の中では、現代ポートフォリオ理論は不要かもしれない。

ノーベル賞を取った投資戦略、現代ポートフォリオ理論。

ノーベル賞を受賞した投資戦略として有名な『現代ポートフォリオ理論』。

様々な投資信託やラップ口座、ロボアドバイザーサービスなどでも利用され、今や一般的にもなってきた投資戦略です。


現代ポートフォリオ運用は、様々な資産を組み合わせて運用することで、リターンを大きく下げずに、リスクを最小化できる投資戦略だといわれています。

リターンを下げずにリスクだけを小さくできる。これが本当であれば、まさに『錬金術』。

ノーリスクで利益を得るなんて、投資の世界では夢のような理論になります。


現代ポートフォリオの仕組みは、リターンに関しては組み合わせる資産の『総和』になるが、リスクは値動きの方向性の違いから、それぞれの資産のリスクの総和とはならず。逆に、一つの資産が下がった時に、他の資産が上がるなどの値動きの違いを利用することで、かえってリスクを減らすことにつながると考えられています。

「低いリスクで高いリターンが狙える。なんと素晴らしい理論なんだろう。」

ということで、様々な金融商品に利用されるようになった。

今では、現代ポートフォリオ理論は大衆化され、その理論の意味もよく分からない人であっても、利用できるようになってきた。


でも投資の世界の原理原則から言えば、一般大衆化された投資話というものは、往々にして上手く行かなくなっていくものです。

投資の世界で古くから生きている原理原則として、『簡単に実践できないこと(人まねが難しいもの)』、『一部の者しか実践(投資)できないものであること。』であることが、高いリターンを狙うための要件としてあると思っています。

そのことに関しては、仕事も一緒。高収入が狙える仕事というのは、『人にはできないこと』と『人がやりたがらないこと』であるものです。

『誰でもできること』というのは、自然と利益が薄くなっていくものです。


ポートフォリオ理論で、リスクが小さくとは限らない。

資産運用の実践の中で感じる、ポートフォリ理論でリスクが小さくなると言われている考え方の矛盾。

ポートフォリオ理論で、リスクが小さくなると言われているのは、ある資産が値下がりしたときに、他の資産が値上がりするなど、相関性(値動きの傾向)の違いがあるからだと考えられています。

しかし、一番リスクを小さくしたいと思う局面は、金融市場の暴落の時。

この暴落の局面では、資産間の相関性がなくなって、みんな一緒に下落する傾向が見られています。

リーマンショック、コロナショック。いつでも、〇〇ショックと言われた局面では、みんな一斉に下落した。

つまり、ポートフォリオ理論では、〇〇ショックのリスクは軽減できないと考えているわけです。


〇〇ショックのときの下落リスクを軽減するのは、もともと下落リスクの小さい資産の保有割合。

今までなら債券という資産分類は、暴落と言われる局面でも、それほど大きな下落はしなかった。だからポートフォリオに配分する債券資産の割合が多いか小さいかで、資産全体の下落リスクが変わってきたというだけの話。


そして最も大切なポイントは、金融市場のリスクは、〇〇ショック以外の時は、思っているほど大したリスクではないということに気がつくことです。

そこに気づいた時、案外、ポートフォリオ理論を使うことの意味がそれほどないことに気づいたりするものです。

結果的には、最も高いリターンが望めそうな株式資産の割合を大きくするか、もしくは自分の得意な分野のリスク資産の割合を増やし、リスクをうまくコントロールしながら、効果的にリターンを狙っていくかどうか。

それを考えていたほうのが、いい結果につながるという結論になってくるものです。


リスクのコントロールにポートフォリオ理論はいらない。

結局、リスクをコントロールするのは、リスク資産と無リスク資産の配分割合。

ポートフォリオ理論で計算してリスクを小さくしたいのであれば、そもそもリスク資産に投資をする割合を小さくしていればいい。

そして、無リスク資産に大きく配分していれば、それだけで十分にリスクがコントロールできるということがわかる。

逆にリスクを大きく取るのであれば、リスク資産の割合を大きくし、高いリターンを狙えばいい。


そんなふうに、いろんな資産に分散させるのも良いけれど、できるだけシンプルな資産配分にした方のが、リスクはコントロールしやすくなると思っている。

ポートフォリオ理論を使って、いろんな資産に分散して投資をした結果、〇〇ショックのような時に巻き込まれ資産が減ったとしても、分散しすぎれば、複雑になる分、次に何をどうしたら良いのかの判断が遅れる。

その点、リスク資産と無リスク資産という2つの視点に分ければ、簡単に次への判断、行動ができるようになるものです。


リーマンショックのあと、その事実に気づきました。

ポートフォリオ理論で、リスクをコントロールする。ノーベル賞とか聞こえが良かった分、すごい方法だと思ってもいたのですが。

いざ市場の大暴落に巻き込まれ、ポートフォリ理論の限界を感じた時、結果的に、株式資産と現金もしくは短期の債券などほとんど値動きのない安全資産に分けているだけでも、十分にリスクをコントロールできたのではないかと思ったわけです。

そして運用戦略をシンプルにすることで、判断もしやすくなり、アベノミクス以降のリターンを強化することもできたのかもしれない。


ノーベル賞も結構ですが、最後は自分の頭で考える。

特に投資や資産運用の分野では、これに勝るものはないのではないかと思っています。

お金と投資に強くなる‼ ”株式投資と資産形成のマネースクール”

FP資格を持つ実践派の資産形成アドバイザーが語る、株式投資のマネースクール 理屈や理論だけではない、実際にやってきた人だからこそ語れる『知識』と『経験』を学べる 投資と資産運用のマネースクールも行っています。(by 株式会社あせっとびるだーず)

0コメント

  • 1000 / 1000